俳優・田辺誠一は、ドラマや映画、舞台ではもちろんのこと、最近ではTwitterなどで公開している個性的なイラストが人気を博し、「画伯」とも呼ばれている。その「画伯」が、9月19日(土)より東京都美術館にて開催する「モネ展~『印象、日の出』から『睡蓮』まで~」のオフィシャルサポーターに就任。音声ガイドや宣伝に加え、本展のためにオフィシャルキャラクター「かっこいいモネ。」を描き下ろした。ミレポルテ・ジャーナルでは、田辺にモネへの思いや、絵を描くことの素晴らしさについて話を聞いた。

――今回、「モネ展」のオフシャルサポーターに就任されましたが、どのようなお気持ちですか?

「思ってもみなかったですね。びっくりと同時にうれしい気持ちです。こんな大きな展覧会で……最初に話を聞いたとき『何をすればいいんですか?』と思いました。確認したら絵を描いたり、告知をしたり、あとは音声ガイドだったり」

 

――モネはもともと好きな画家のひとりだそうですが、今回の「モネ展」のオススメポイントや個人的に気になる作品は?

「これだけの大作が大量にやってくる、というのが見どころじゃないかと。代表作『印象、日の出』は印象派の流れのはじまりで、美術界に風穴を空けた作品なので、今回ぜひナマで見てみたいですね。あとは、『バラの小道、ジヴェルニー』も気になります」

5321

――「バラの小道、ジヴェルニー」は、モネの最晩年の作品で白内障の影響でほとんど視力が失われていたそうです。

「ジヴェルニーは、家族を大事にするモネが、ちょっとずつ庭や池を作ったりして晩年まで過ごした場所です。この小道を歩く小さな子どもも大きくなる、家族の時間がある。そんな時間と空間がミックスした調和がこの絵に現れている気がします。自分たち家族の歩んできた足跡が描かれて、そこにバラが彩られている。それがとてもいいなと思います」

 

――俳優として活躍する田辺さんですが、近年では“画伯”としても名を馳せています。そのあたりのスイッチの切り替えはどのように?

「絵を描こうなんて思ってもみなかったので。去年の今頃は、今回のようなお話をいただけるとは想像もつかなかったです。もともとはTwitterなどでたまに描く程度だったのですが。もちろんベースとして俳優ありき。絵と俳優の同時進行はできないので、時間的にも分けて取り組んでいますね」

 

――田辺さんにとって絵の魅力とは何ですか?

「個展などもやらせてもらっているですが、みんなが幸せそうにニコニコ見てくれているのが本当にうれしいんです。それって俳優業だとなかなか伝えきれないこともあって。ストーリーや作品のジャンルなどもあるので。俳優でできない表現をしているのかな、と感じるときがあります」

5353

――それが田辺さんの願望なのでしょうか?

「自分の考えていることや伝えたいことは、絵のほうが近しいと思います。俳優は、監督・スタッフ、他のキャストがいるなかでのひとつの役割を通じて何かを伝えていく。でも絵は100%自分だけなので、そういった意味でのダイレクトさはありますね」

 

――田辺さんが描いた「かっこいい犬。」が絵本になったりぬいぐるみになったりなど、多方面での展開を見せています。以前に田辺さんは「あくまで絵は趣味」と口にしていましたが、こうした動きをどうとらえますか?

「俳優を始めてからは、ほかのことをやらないようにしていたんですね。でも去年の11月にLINEスタンプを発売して、それから個展や文具の話が出るようになって。今までだったら全部ことわっていたんですけど、『流れに乗ったほうが楽しいんじゃないかな』といった気持ちも出てきたんです」

 

――今回の「モネ展」もそうですが、面白い広がりですよね。

「自分から提案したものはないので、どこに行くのかわかりませんが、タイムスリップして中学生の自分に教えてあげたいです。『お前、今、絵を描いて色々やってんだよ』って」

5317

――中学生の田辺さんはどう思うでしょうね(笑)。

「『え?何歳で?』『46歳』『20代とか30代じゃないの!? 何それ? モラトリアム長くね?』みたいな。ワケわからなくなるでしょうね。でも不思議なものですね、やろうと思ってもなかなかできるものでもないし。それができているのは幸せです」

 

――今後、描いてみたい対象などありますか?

「これまでTwitterで人物や動物を描いていましたが、モネのような風景画はないので挑戦してみたい気持ちはありますね。あとはこれまで通り『印象派』じゃあないですけど、自分の目と心を通した作品にしていきたいですね。『写実』は僕には描けないので(笑)」

 

PROFILE

田辺誠一

東京都生まれ。俳優・映画監督・クリエイター。

92年にデビューし、ドラマ・舞台・CM・映画など多方面で活躍。98年には初監督映画を製作し、ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品され国内外で注目を集める。そのクリエイティビティはイラストにも発揮され、独自の世界観の絵の数々はTwitterやインターネット上で大きな反響を呼び、ファンからは”画伯”と称される。俳優としての代表作に「ハッシュ」「ハッピーフライト」「ガラスの仮面」などがある。

 

「モネ展~『印象、日の出』から『睡蓮』まで~」

http://www.ntv.co.jp/monet/